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2011年6月10日

●正しく反応することの大切さ


歌の宅配便。
明日は石巻。

思い返せば、この20年...私もショーロ・クラブの笹子さんも、渡辺亮さんとも、秋元さんとも、EPOとして、私が動くところ、ずっと同じような活動だった。

しかし、東北で歌う時には、特別な気持ちが私の中にある。
父が育ち、育まれ、体験した記憶は、
彼が父となった時、子供の私達を遊ばせる遊びのアイディアとなり、
それは、東北の自然の中から生まれたのだろうなと、
最近、うっすらと思い出す事が多いのだ。

今まで、あまり意識をしたことがないのだけれど、
私のルーツは本当に東北にあるのだということを、
震災以来強く感じるようになった。

父はもう亡くなっているけれど、
この惨状を天国から見て、どんなふうに感じてるのだろう。
彼の魂は、ちやんと迷わずに、生まれた場所にもどってこれるのかしら?
父の面影を重ねて、「とめにこ」という曲を、
最近よく歌うようになった。

家族を突然失ったり、住み慣れた町が一瞬にして姿を変えてしまうことを受け入れるのは、
本当に大変なことだ。

自分の一部をざっくりとえぐられてしまうような、
痛みや虚無感や絶望感とつきあっていくには、相当の時間がかかる。

ひとりひとりの命の尊厳が納得するに必要とされる時間には、
価値があると私は思う。

私達は生きていると、世の中で起こったことや、人間関係のいざこざに、
本当にいろんな影響を受ける。
あまりのストレスに声が出なくなってしまいことさえある。

でも、そうなった自分を客観的にみつめながらも、
感情に正直に舞台に立つことを、私は今、とても大切にしている。

アーティストやBBSHの先生が、
人としてあるがままの感情に抵抗をせず、
正直な姿を、ファンや生徒に見せてくれたことに、
心から癒された体験があるからだ。

被災してはいない自分が、現地に行き、感じる、不安や恐れや悲しみにも、
正しく反応しながら、抵抗することなく、現地に流れる時間に寄り添いながら、
私は唄ってきたいと思っている。
自分の本当の場所から。





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